この写真は象牙の印章です。
機械ではなく、手で彫られたものです。
写真の左隅に黒いものが写っていますが、何だと思いますか?
答えは…
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
シャープペンシル(0.5mm)の芯です。
手彫りの象牙訂正印です。5.3mm × 3.0mm の楕円形の訂正印です。
訂正印の中でもやや小さめのサイズになります。
文字がどれだけ細い線で構成されているか伝わりますでしょうか?
印章職人は文字以外の部分を彫り込みます。この訂正印を彫りあげるには、シャープペンシルの芯よりもずっとずっと細い、まさに極細の線を残して彫刻する必要があります。よく見て頂くと分かるのですが、ただ細い単調な線に仕上げているのではありません。線の太さに強弱をつけて筆意をも表現するのです。
子供の頃、彫刻刀で工作をしたことをちょっと思い出してみてください。
想像してください。極細の線を残して彫ることがどれだけ大変な作業かを。
(´-`).。oO「ネットで即日発送する安売りのお店には到底出来ない芸当だぜ」
※あ、これはうっかり漏れ出したこころの声です↑
ちなみにこの訂正印は、平塚の東曜印房の水嶋氏が彫刻したものです。
(数年前に、管理人が「超こだわり書体」のネームペンを水嶋氏にプレゼントしたところ、お礼にということで訂正印を贈ってくれました。彼は以前、一心堂で働いておりました。)
管理人の所有する最も小さな印章がこの訂正印でしたので紹介させていただいたのですが、結果的にこの記事は一心堂の技術力ではなく東曜印房さんの技術力を伝える記事ってことになりますね。ですが、もちろん一心堂の職人も同じく彫る技術を持っていますよ。念のため。